○川崎町戸籍情報システムに係るデータ保護管理要綱
平成9年3月3日
制定
(目的)
第1条 この要綱は、川崎町電子計算組織の管理運営に関する規則(平成3年川崎町規則第14号。以下「管理規則」という。)に定めるもののほか、川崎町町民生活課(以下「町民生活課」という。)における戸籍情報システムに係る戸籍情報の保全及び保護に関する管理について必要な事項を定め、戸籍情報の保全及び保護の適正な管理運営を図ることを目的とする。
(1) 戸籍情報システム クラウドサービス上の仮想環境に設置した戸籍専用サーバ機及び町民生活課に設置した戸籍専用端末により現在戸籍、除かれた戸籍、附票、人口動態調査票等の戸籍関連事務を行うシステムをいう。
(2) データ 戸籍情報システム処理に係る入出力帳票、磁気記録及びその他の媒体等に記録されているものをいう。
(3) 磁気記録 磁気ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、フロッピィディスク等の媒体に記録されているものをいう。
(4) ドキュメント システム設計書、プログラム説明書、操作手引書、コード一覧表その他戸籍情報システム処理に必要な仕様書及び取扱要領等をいう。
(5) 端末装置 クラウドサービス上の仮想環境に設置した戸籍サーバと専用通信回線によって結ばれ、データの入力及び出力の機能を有する機器をいう。
(処理の基本方針)
第3条 戸籍情報システムによる事務処理に当たっては、戸籍事務の効率化を図るとともに、個人情報の保全及び保護に関して必要な措置を講じなければならない。
(戸籍データ保護管理者の設置)
第4条 戸籍情報システムの適正な運用とデータの保全及び保護について統括的管理を図るため、戸籍データ保護管理者(以下「保護管理者」という。)を置き、町民生活課長をもって充てる。
(保護管理者の職務)
第5条 保護管理者は、戸籍データの管理の状況及びこれらに関連する設備の状況について常に把握し、戸籍データが適正に管理されるよう努めなければならない。
2 保護管理者は、戸籍情報システムについて、火災、地震、盗難、磁気障害又は妨害事故等(以下「事故」という。)に備え、必要な措置を講じなければならない。
3 保護管理者は、事故発生時の対策を定めるとともに、随時所属職員を訓練しなければならない。
4 保護管理者は、事故が発生したときは、速やかに事故の経過及び被害状況を調査し、復旧のための措置を講じるとともに、それらを副町長(管理規則第3条に定める総合管理者)に報告しなければならない。
(端末装置取扱責任者)
第6条 保護管理者は、端末装置の適正な管理を行うため、端末装置取扱責任者(以下「取扱責任者」という。)を置き、町民生活課窓口係長をもって充てる。
(データ保護)
第7条 保護管理者は、データの漏えい、改ざん、滅失、破損、紛失その他の事故の防止に必要な措置を講じなければならない。
2 戸籍情報システムの処理が可能な端末装置は、来庁者からは内容が読み取られない位置及び角度等に配慮しなければならない。
3 入出力されたデータは、電算処理を行う他の業務と連動して処理してはならない。また、これを他の業務に利用してはならない。
4 入出力されたデータは、不要となった時点で、速やかに焼却、裁断等により復元できない方法によって確実に処分しなければならない。
5 データは、法令等に特別の定めがある場合を除き、外部に提供してはならない。
(磁気記録等の管理)
第8条 保護管理者は、磁気記録等を次の各号により適正に管理しなければならない。
(1) 施錠ができ、かつ、持ち運びができない保管用具に保管する等これらの安全を確保するとともに、その使用に関して適正な管理を行わなければならない。
(2) 磁気記録等の受払い及び管理については、名称、作成期日等必要な事項を台帳その他の文書に記録し、これを保管しなければならない。
(3) 磁気記録等を破棄するときは、記録内容を消去した上で、焼却、裁断等の復元できない方法により確実に処分すること。
(4) クラウドサービスは、サービスを利用する形態であることから、戸籍サーバの物理的な所在を明らかにすることはできず、いつ戸籍サーバの磁気ディスクが交換や廃棄がされたかを知ることはできない。一方、戸籍情報システムでは、外部認証のPCIDSSを取得しているデータセンターで提供されるクラウドサービスを利用することで、その認証取得の要件である「電子媒体を破棄する場合は、業界が承認した標準に従った消去ソフトを使用するか、物理的な破壊により回復不能とする」に基づいた適切な廃棄が行われていることを担保し、戸籍データの漏えいを防止する。認証取得の継続性については、第三者機関による監査が行われることから、戸籍情報システム事業者が定期的に認証取得証明書を確認することとし、保護管理者は必要に応じ戸籍情報システム事業者にその結果を請求し、内容を把握するよう努めなければならない。
(出力帳票等の管理)
第9条 保護管理者は、戸籍情報システムから出力された帳票等を次の各号により適正に管理しなければならない。
(1) 保管しておく必要のある出力帳票等は、施錠ができ、かつ、持ち運びができない保管用具に保管し、これらの安全を確保すること。
(2) 保管しておく必要のある出力帳票等は、作成期日等必要な事項を台帳その他の文書に記録すること。
(3) 出力された帳票等を破棄するときは、焼却、裁断等の復元できない方法により確実に処分すること。
(ドキュメントの管理)
第10条 保護管理者は、ドキュメントを最新の状態に維持し、適正な場所に保管しなければならない。
2 取扱責任者は、ドキュメントを複写し、又は持ち出すときは、保護管理者の承認を受けるとともに、外部に情報が流出しないように適正に管理しなければならない。
(パスワードの管理)
第11条 保護管理者は、戸籍情報システムの取扱職員(以下「取扱職員」という。)及び当該取扱職員の業務処理範囲を定め、個別に入出力を制御するパスワードを設定し、付与しなければならない。
2 保護管理者は、パスワードの設定、更新、発行、保管等の運用方法を定め、これを適正に管理しなければならない。
3 保護管理者は、パスワードを当該取扱職員以外の者に漏らしてはならない。
4 取扱職員は、パスワードを第1項により定められた業務の目的を超えて使用してはならない。
5 取扱職員は、自己のパスワードを他人に漏らし、又は使用させてはならない。
(戸籍サーバのアクセス管理)
第12条 保護管理者は、戸籍サーバへのアクセスに際して業務処理範囲に限定した権限の範囲で許可された操作者へID、パスワードを設定し付与しなければならない。
2 保護管理者は、遠隔監視を行っている戸籍情報システム事業者にも制限を設け、正当権限者以外の者からの利用を防止しなければならない。また、サーバ利用に関する履歴は常時記録し、必要に応じて戸籍情報システム事業者に請求することで、保護管理者は利用状況を確認しなければならない。
3 保護管理者は、緊急時の体制として、遠隔監視を行っている戸籍情報システム事業者から即時にデータ保護管理者に連絡され、対応を協議する体制を設けなくてはならない。
(戸籍データのアクセス管理)
第13条 保護管理者は、戸籍データへのアクセスに際して業務処理範囲に限定した権限の範囲で、許可された操作者へID、パスワードを設定し付与しなければならない。
2 保護管理者は、遠隔監視を行っている戸籍情報システム事業者にも制限を設け、正当権限者以外の者からの利用を防止しなければならない。また、保護管理者は、戸籍情報システム事業者の戸籍データへのアクセスについては、緊急時の保守作業においてのみ許可し、IDとパスワードを付与しなければならない。
3 データアクセスに関する履歴は常時記録し、必要に応じて戸籍情報システム事業者に請求することで、保護管理者は利用状況を確認しなければならない。
4 保護管理者は、緊急時の体制として、遠隔監視を行っている戸籍情報システム事業者から即時にデータ保護管理者に連絡され対応を協議する体制を設けなくてはならない。
(戸籍情報システムのアクセス管理)
第14条 保護管理者は、戸籍情報システムの取扱職員(以下「取扱職員」という)及び当該取扱職員の業務処理範囲を定め、個別に入出力を制御するパスワードを設定し付与しなければならない。なお、戸籍情報システム事業者は戸籍情報システムを操作することは無く、戸籍情報システムのバージョンアップ後の動作確認は当市職員にて実施する。
2 戸籍情報システムのアクセス履歴は常時記録し、利用状況は保護管理者が必要に応じて確認しなければならない。
(アクセス権限の漏えい防止の措置)
第15条 サーバ、データ、システムの各々にアクセスするためのID、パスワードを付与された者は、ID、パスワードが他者に漏れることがなく適切に管理運用しなければならない。
2 保護管理者は、ID、パスワードの設定、更新、発行、保管等の運用方法を定め、これを厳重に保管しなければならない。
3 保護管理者は、ID、パスワードを当該者以外の者に漏らしてはならない。
4 取扱職員は、自己のID、パスワードを他人に漏らしてはならない。
5 戸籍情報システム事業者は、ID、パスワードを正当権限者以外の者に漏らしてはならない。
(取扱状況の把握)
第16条 保護管理者は、戸籍情報システム事業者に対し必要に応じて次の事項を請求し、取扱い状況を把握しなければならない。
(1) 戸籍サーバの使用状況
(2) 戸籍データの使用状況
2 保護管理者は、取扱責任者に次の事項を報告させ、常に戸籍情報システムの取扱状況を把握しておかなければならない。
(1) パスワードの使用状況
(2) 端末装置の管理状況
(3) 戸籍データの取扱状況
(4) 戸籍情報システムの使用状況
(5) 戸籍事務室の管理状況
(6) その他戸籍情報システムの運用に関すること。
(端末装置の操作)
第17条 端末装置は、取扱職員でなければ操作することができない。
2 端末装置の操作は、戸籍業務、戸籍の附票業務及び戸籍関連業務に必要な場合以外に行ってはならない。
3 見出データ及び戸籍に関するデータを、戸籍業務、戸籍の附票業務及び戸籍関連業務に必要な場合以外に検索してはならない。
(機器及びソフトウェア等の保管)
第18条 保護管理者は、戸籍データの適正な管理を図るため、別表のとおり戸籍情報システムに係る機器及びソフトウェア等を管理しなければならない。
(戸籍データの重要性等についての研修等の実施)
第19条 戸籍データの重要性及び機密保持並びにプライバシー保護に関する意識の高揚とシステム安全対策の推進を図るため、取扱責任者は取扱職員に対し、年1回以上の教育、訓練計画を策定し、保護管理者の承認を得た後これを実施しなければならない。
2 新任の取扱職員については、任用後できるだけ早い時期に、前項の教育等を実施しなければならない。
(会議)
第20条 戸籍データ保護の適切な管理を推進するため、戸籍データ保護会議(以下「会議」という。)を置く。
2 会議は、保護管理者が必要に応じて、戸籍データ保護に係る事務について開催するものとする。
3 会議は、副町長、保護管理者、取扱責任者及び取扱職員をもって組織する。
4 会議の庶務は、町民生活課戸籍担当において処理する。
附則
この要綱は、戸籍法及び住民基本台帳法の一部を改正する法律(平成6年法律第67号)に基づいた戸籍事務のコンピュータ化について法務大臣の指定を受けた日より施行する。
[施行日(指定を受けた日) 平成9年9月13日]
附則(平成13年要綱第2号)
この要綱は、平成13年4月1日から施行する。
附則(平成19年要綱第6号)抄
(施行期日)
1 この要綱は、平成19年4月1日から施行する。
附則(令和5年要綱第33号)
この要綱は、公布の日から施行する。
別表(第18条関係)
戸籍情報システムに係る機器及びソフトウェア等の保管一覧
機器及びソフト等 | 管理責任者 | プライバシー保護 | 内容 |
戸籍用サーバ | 保護管理者 | ・保管場所 | 外部認証のPCIDSSを取得しているデータセンターに設置し、保護管理者は認証取得の継続性を戸籍情報システム事業者に確認する。 |
・パスワードによる起動 | サーバを起動する者は、保護管理者の指定した戸籍情報システム事業者の正当権限者のみとする。 | ||
・アクセス管理 | 戸籍サーバへアクセスする者は、保護管理者の指定した職員のみとし、業務処理範囲に限定したアクセス制限を設ける。また、遠隔監視を行っている戸籍情報システム事業者に対しても、保護管理者の指定した正当権限者に保守等の業務範囲に限定したアクセス制限を設け、正当権限者以外の者からの利用を防止する。 | ||
・システム使用状況リスト | システム使用状況リストを定期的に印字し、そのリストを施錠できる保管庫で管理する。また、遠隔監視を行っている戸籍情報システム事業者に対しても、サーバ利用に関する履歴を常時記録し、戸籍情報システム事業者に請求することで、保護管理者は利用状況を確認する。 | ||
エッジサーバ | 保護管理者 | ・保管場所 | エッジサーバは、川崎町庁舎内に設置し、施錠できる専用ラックに収納する。鍵は、保護管理者が管理する。 |
・パスワードによる起動 | サーバを起動する者は、保護管理者の指定した職員のみとする。 | ||
・アクセス管理 | エッジサーバへアクセスする者は、保護管理者の指定した職員のみとし、業務処理範囲に限定したアクセス制限を設ける。 | ||
戸籍用クライアント | 保護管理者 | ・保管場所 | 戸籍用クライアントは戸籍担当課に設置し、その取扱いについては保護管理者が管理する。 |
・システム使用状況リスト | システム使用状況リストを定期的に印字し、そのリストを施錠できる保管庫で管理する。 | ||
・パスワードによる起動 | クライアントを起動する者は、保護管理者の任命した取扱職員がパスワードを入力し、起動させる。 | ||
・システム使用状況リスト | システム使用状況リストを定期的に印字し、そのリストを施錠できる保管庫で管理する。 | ||
戸籍情報システムに係るプログラム | 保護管理者 | ・保管場所 | プログラムは、戸籍用サーバに格納して管理する。保管場所の内容については、戸籍用サーバの該当箇所に記載したものと同一である。 |
・複写及び変更後のプログラム保護 | 保護管理者は、アプリケーションプログラムを複写変更させないための保安措置をソフト的に講じる。 |