○川崎町家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例

平成26年12月12日

条例第14号

(趣旨)

第1条 この条例は、児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第34条の16第1項の規定に基づき、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語(次項に規定するものを除く。)は、法において使用する用語の例による。

2 この条例において「幼児」とは、法第4条第1項第2号に規定する幼児のうち、満3歳に満たない者(法第6条の3第9項第2号、同条第10項第2号、同条第11項第2号又は同条第12項第2号の規定に基づき保育が必要と認められる児童であって満3歳以上のものについて保育を行う場合にあっては、満3歳に満たない者及び当該満3歳以上の児童)をいう。

(最低基準の目的等)

第3条 この条例に定める基準(次項及び次条において「最低基準」という。)は、家庭的保育事業等を利用している乳児又は幼児(以下「利用乳幼児」という。)が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員(家庭的保育事業等を行う事業所(以下「家庭的保育事業所等」という。)の管理者を含む。以下同じ。)が保育を提供することにより、心身ともに健やかに育成されることを保障するものとする。

2 川崎町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする。

(最低基準と家庭的保育事業者等)

第4条 家庭的保育事業等を行う者(以下「家庭的保育事業者等」という。)は、最低基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させなければならない。

2 最低基準を超えて、設備を有し、又は運営をしている家庭的保育事業者等においては、最低基準を理由として、その設備又は運営を低下させてはならない。

3 教育委員会は、児童の保護者その他児童福祉に係る当事者の意見を聴き、家庭的保育事業者等に対し、最低基準を超えて、その設備及び運営を向上させるように勧告することができる。

(家庭的保育事業者等の一般原則)

第5条 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児の人権に十分配慮するとともに、一人一人の人格を尊重して、その運営を行わなければならない。

2 家庭的保育事業者等は、地域社会との交流及び連携を図り、利用乳幼児の保護者及び地域社会に対し、当該家庭的保育事業等の運営の内容を適切に説明するよう努めなければならない。

3 家庭的保育事業者等は、自らその行う保育の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

4 家庭的保育事業者等は、定期的に外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図るよう努めなければならない。

5 家庭的保育事業所等(居宅訪問型保育事業を行う場所を除く。次項第14条第2項及び第3項第15条第1項並びに第16条第1項において同じ。)には、法に定めるそれぞれの事業の目的を達成するために必要な設備を設けなければならない。

6 家庭的保育事業所等の構造設備は、採光、換気等利用乳幼児の保健衛生及び利用乳幼児に対する危害防止に十分な考慮を払って設けられなければならない。

(保育所等との連携)

第6条 家庭的保育事業者等(居宅訪問型保育事業を行う者(以下「居宅訪問型保育事業者」という。)を除く。以下この条次条第1項第14条第1項及び第2項第15条第1項第2項及び第5項第16条並びに第17条第1項から第3項までにおいて同じ。)は、利用乳幼児に対する保育が適正かつ確実に行われ、及び家庭的保育事業者等による保育の提供の終了後も満3歳以上の児童に対して必要な教育(教育基本法(平成18年法律第120号)第6条第1項に規定する法律に定める学校において行われる教育をいう。)又は保育が継続的に提供されるよう、規則で定めるところにより、連携協力を行う保育所(子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)第7条第4項に規定する保育所をいう。)、幼稚園(同項に規定する幼稚園をいう。)又は認定こども園(同項に規定する認定こども園をいう。)(以下「連携施設」という。)を適切に確保しなければならない。

(家庭的保育事業者等と非常災害)

第7条 家庭的保育事業者等は、軽便消火器等の消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する不断の注意及び訓練をするように努めなければならない。

2 前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月1回は行わなければならない。

(家庭的保育事業者等の職員の一般的要件)

第8条 家庭的保育事業等において利用乳幼児の保育に従事する職員は、健全な心身を有し、豊かな人間性と倫理観を備え、児童福祉事業に熱意のある者であって、できる限り児童福祉事業の理論及び実際について訓練を受けたものでなければならない。

(家庭的保育事業者等の職員の知識及び技能の向上等)

第9条 家庭的保育事業者等の職員は、常に自己研鑽に励み、法に定めるそれぞれの事業の目的を達成するために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。

2 家庭的保育事業者等は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。

(他の社会福祉施設等を併せて設置するときの設備及び職員の基準)

第10条 家庭的保育事業所等は、他の社会福祉施設等を併せて設置するときは、必要に応じ当該家庭的保育事業所等の設備及び職員の一部を併せて設置する他の社会福祉施設等の設備及び職員に兼ねることができる。ただし、保育室及び各事業所に特有の設備並びに利用乳幼児の保育に直接従事する職員については、この限りでない。

(利用乳幼児を平等に取り扱う原則)

第11条 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児の国籍、信条、社会的身分又は利用に要する費用を負担するか否かによって、差別的取扱いをしてはならない。

(虐待等の禁止)

第12条 家庭的保育事業者等の職員は、利用乳幼児に対し、法第33条の10各号に掲げる行為その他当該利用乳幼児の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。

(懲戒に係る権限の濫用禁止)

第13条 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児に対し法第47条第3項の規定により懲戒に関しその利用乳幼児の福祉のために必要な措置を採るときは、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならない。

(衛生管理等)

第14条 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児の使用する設備、食器等又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。

2 家庭的保育事業者等は、家庭的保育事業所等において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 家庭的保育事業所等には、必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を適正に行わなければならない。

4 居宅訪問型保育事業者は、保育に従事する職員の清潔の保持及び健康状態について、必要な管理を行わなければならない。

5 居宅訪問型保育事業者は、居宅訪問型保育事業所の設備及び備品について、衛生的な管理に努めなければならない。

(食事)

第15条 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児に食事を提供するときは、家庭的保育事業所等内で調理する方法(第10条の規定により、当該家庭的保育事業所等の調理設備又は調理室を兼ねている他の社会福祉施設等の調理室において調理する方法を含む。)により行わなければならない。

2 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児に食事を提供するときは、その献立は、できる限り、変化に富み、利用乳幼児の健全な発育に必要な栄養量を含有するものでなければならない。

3 食事は、前項の規定によるほか、食品の種類及び調理方法について栄養並びに利用乳幼児の身体的状況及び嗜し好を考慮したものでなければならない。

4 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければならない。

5 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児の健康な生活の基本としての食を営む力の育成に努めなければならない。

(食事の提供の特例)

第16条 家庭的保育事業者等は、前条第1項の規定にかかわらず、規則で定めるところにより、当該家庭的保育事業者等の利用乳幼児に対する食事の提供について、連携施設等において調理し家庭的保育事業所等に搬入する方法により行うことができる。この場合において、当該家庭的保育事業者等は、当該食事の提供について当該方法によることとしてもなお当該家庭的保育事業所等において行うことが必要な調理のための加熱、保存等の調理機能を有する設備を備えなければならない。

(利用乳幼児及び職員の健康診断)

第17条 家庭的保育事業者等は、利用乳幼児に対し、利用開始時の健康診断、少なくとも1年に2回の定期健康診断及び臨時の健康診断を、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)に規定する健康診断に準じて行わなければならない。

2 家庭的保育事業者等は、前項の規定にかかわらず、児童相談所等における乳児又は幼児(以下「乳幼児」という。)の利用開始前の健康診断が行われた場合であって、当該健康診断が利用乳幼児に対する利用開始時の健康診断の全部又は一部に相当すると認められるときは、利用開始時の健康診断の全部又は一部を行わないことができる。この場合において、家庭的保育事業者等は、児童相談所等における乳幼児の利用開始前の健康診断の結果を把握しなければならない。

3 第1項の健康診断をした医師は、その結果必要な事項を母子健康手帳又は利用乳幼児の健康を記録する表に記入するとともに、必要に応じ保育の提供又は法第24条第6項の規定による措置を解除し、又は停止する等必要な手続をとることを、家庭的保育事業者等に勧告しなければならない。

4 家庭的保育事業等の職員の健康診断に当たっては、特に利用乳幼児の食事を調理する者につき、綿密な注意を払わなければならない。

(秘密保持等)

第18条 家庭的保育事業者等の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用乳幼児又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 家庭的保育事業者等は、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用乳幼児又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(苦情への対応)

第19条 家庭的保育事業者等は、その行った保育に関する利用乳幼児又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。

2 家庭的保育事業者等は、その行った保育に関し、当該保育の提供又は法第24条第6項の規定による措置に係る教育委員会から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

(事務委任)

第20条 町長は、法第34条の16第1項の規定に基づく家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準に関し、その権限に属する事務を教育委員会へ委任するものとする。

(委任)

第21条 この条例に定めるもののほか、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成24年法律第67号)の施行の日から施行する。

(食事の提供の経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日において現に存する法第39条第1項に規定する業務を目的とする施設又は事業を行う者が、施行日以後に家庭的保育事業等の認可を得た場合においては、施行日から起算して5年を経過する日までの間は、第15条の規定は、適用しないことができる。

川崎町家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例

平成26年12月12日 条例第14号

(平成27年4月1日施行)