○川崎町監査基準
平成3年3月30日
目次
第1章 一般基準(第1条・第2条)
第2章 実施基準(第3条―第14条)
第3章 報告基準(第15条―第19条)
附則
第1章 一般基準
(監査委員の使命)
第1条 監査委員は、法令により定められた権限に基づいて、町の財務に関する事務の執行及び町の経営に係る事業の管理(以下「監査等」という。)を実施し、その結果を報告及び公表することにより、民主的かつ効率的な行政の執行確保に資し、もって住民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与するものとする。
(監査委員の責務)
第2条 監査委員は、監査等の実施及び報告書の作成に当たっては、事務事業に対する広い知識と深い理解を持ち、かつ、正当な注意をもって当たらなければならない。
2 監査委員は、事実の調査及び認定並びに意見の表明を行うに当たっては、事実に基づき、常に公正不偏の態度を保持しなければならない。
3 監査委員及びその事務を補助する職員(以下「事務補助職員」という。)は、職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は自らひそかに用いてはならない。
4 監査委員は、適切な監査計画に基づいて事務補助職員を指導監督しなければならない。
第2章 実施基準
(実施の基本方針)
第3条 監査委員は、監査等を実施するに当たっては、事務事業が地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第2条第14項及び第15項の規定の趣旨に則ってなされているかどうかに特に注意を用いその執行が予算及び議決並びに法令等に基づいてなされているかに留意し、積極的指導的に実施しなければならない。
(監査等の種類と実施方針)
第4条 監査等の種類と実施方針は、次の各項に掲げるとおりとする。
2 監査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 定期監査(法第199条第4項の規定による監査)
ア 町の財務に関する事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
イ 町の経営に係る事業の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
ウ 必要に応じ、町村の事務事業の執行に係る工事について、当該工事の設計、施工等が適正に行われているかどうか、また、建物等の維持管理が良好であるかどうかを主眼として実施するもの
(2) 随時監査(法第199条第5項の規定による監査)
必要があると認めるとき、定期監査に準じて実施するもの
(3) 行政監査(法第199条第2項の規定による監査)
必要があると認めるとき、町村の事務又は法定受託事務(地方自治法施行令第140条の5に定める事務を除く。)の執行が、合理的かつ効率的に行われているか、法令等の定めるところに従って適正に行われているかどうかを主眼として適時に実施するもの
(4) 財政援助団体等に対する監査(法第199条第7項の規定による監査)
財政的援助を与えている団体若しくは出資・支払保証団体、信託の受託者及び公の施設の指定管理者に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき当該財政的援助等に係る出納その他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(5) 公金の収納又は支払事務に関する監査(法第235条の2第2項、地方公営企業法(昭和27年法律第292号。以下「公企法」という。)第27条の2第1項による監査)
指定金融機関等に対し必要があると認めるとき、又は町長若しくは企業管理者の要求に基づき、公金の収納、支払等の事務処理が、法令の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの
(6) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条の規定による監査)
請求に係る事務の執行について実施するもの
(7) 議会の要求に基づく監査(法第98条第2項の規定による監査)
要求に係る事務の執行について実施するもの
(8) 請願の措置としての監査(法第125条の規定に関する監査)
議会が採択した請願のうち、監査委員において監査することにより措置することが適当と認められたものについて実施するもの
(9) 町長の要求に基づく監査(法第199条第6項の規定による監査)
要求に係る事務の執行について実施するもの
(10) 住民監査請求に基づく監査(法第242条の規定による監査)
請求の内容について実施するもの
(11) 町長及び企業管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2第3項、公企法第34条の規定による監査)
要求に係る事実等について実施するもの
3 検査の種類は次に掲げるとおりとする。
例月現金出納検査(法第235条の2第1項の規定による検査)
会計管理者及び企業管理者の行う現金(歳入歳出外現金及び基金に属する現金を含む。以下同じ。)の出納事務が適正に行われているかどうかを主眼として実施するもの
4 審査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 決算審査(法第233条第2項及び公企法第30条第2項の規定による審査)
決算その他関係諸表等の計数を確認するとともに、予算の執行並びに事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 基金の運用状況審査(法第241条第5項の規定による審査)
基金の運用状況を示す書類の計数を確認するとともに、基金の運用が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
第5条 監査等を効率的かつ効果的に実施するため、次項で定める年間監査計画を策定するとともに、適切なる実施計画を作成し、これに基づいて秩序整然と、適時に実施しなければならない。
2 年間監査計画は、次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 年間における実施予定の監査等の種類及び対象
(2) 監査等の対象別実施予定時期及び監査等の実施担当課係名
3 実施計画は、監査等の種類別に次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 監査等の種類
(2) 監査等の対象
(3) 監査等の期間
(4) 監査等の担当者及び事務分担
(5) 監査等の基本方針
(6) 監査等の実施場所及び日程
(7) 監査等の項目及び着眼点
(8) 監査技術の選択
(9) その他監査等の実施上必要と認める事項
(監査等の調整)
第6条 各種監査機能のうち年間の経常的な監査等は、相互に有機的な関連をもたせ、総合的な成果があがるように調整運用するものとする。
(合理的基礎の確保)
第7条 監査委員は、監査等の結果として意見を表明するため、監査対象の重要性、危険性その他の諸要素を十分考慮して、合理的な基礎を得るまで実施しなければならない。
(監査等資料の保存と活用)
第8条 監査等の資料として作成された諸調査は慎重な注意をもって整理し、担当の期間これを保存するとともに、この後の監査等においても活用するよう努めるものとする。
(事前通知)
第9条 監査等を実施するに当たっては、特別な場合を除き、町長又は監査対象部局等の長に対し、監査等の種類、期日、場所等あらかじめ通知する。
(資料要求等)
第10条 監査等を実施するに当たっては、あらかじめ項目及び様式を定めて、監査等に必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概況について説明を求める。
(監査等の着眼点)
第11条 監査委員は、監査等を実施するに当たっては第4条で定める監査等種類別実施方針に準拠し、別に定める監査等の着眼点を必要に応じ適宜に選択して行うものとする。
(監査等手続の適用の基準)
第12条 監査等手続の適用は、監査等の種類、対象、目的、内部けん制組織及び内部監査(内部考査)の信頼性の程度を勘案して、試査又は精査による。試査による場合は、その範囲を合理的に決定しなければならない。
2 試査は、監査等の対象となっている事項について、その一部を抽出して調査し、その結果によって全体の正否又は適否を推定するものとする。
3 精査は、監査等の対象となっている事項について違法、不正その他例外事項を発見し、又は問題点等を明らかにするため、全部にわたり精密に調査するものとする。
(監査技術)
第13条 監査等は、書類、帳簿、証書類等に基づき、次項で定める一般監査技術を適用するとともに、必要に応じ適宜個別監査技術及びその他の個別監査技術を選択適用して実施する。
2 監査技術は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 一般監査基準
ア 照合 証拠突合、帳簿突合及び計算突合等のように関係諸記録を相互に突き合わせ、その記録又は計算の正否を確かめること。
(2) 個別監査技術
ア 実査 事実の存否について、実地に現物検証、現場検証等によって直接検証すること。
イ 立会い 主として物品等の在庫高調査又は実地棚卸しを行う際に、現場に立ち会い、その実施状況を視察して正否を確かめること。
ウ 確認 事実の存否について、写真その他の証拠書類又は当該事項に関係のない第三者の証言等をもって確認すること。
エ 質問 事実の存否又は問題点について、監査対象部局の職員等に質問して、回答又は説明を求めること。
オ 分析 事実の性質、内容を究明し、これを構成要素別、時間別、比率別、問題別等に分析して異常の有無を確かめること。
カ 比較 年度別、時間別、関係要素別等による複数の数値を対照させて観察し、その異同を通じて問題点の有無を確かめること。
(3) その他の個別監査技術
ア 通査 帳簿等関係諸記録を一通り検討して、異常事項や例外事項を発見し、問題点を明らかにすること。
イ 比較吟味 財務分析上の比率法を応用して、記録の正否又は適否を大局的に判断すること。
ウ 調整 源泉を等しくし、相互に関連のある計数が別々に整理されている場合、それら2組の計数の過不足を追及し両者が事実上一致するかどうかを確かめること。
エ 総合 諸種の事実を総合して、総括的な観点から事実を判断すること。
(監査の講評)
第14条 監査等に基づく関係責任者に対する講評は、原則として監査等の結果の報告及び公表前に行い、これに対する弁明又は意見を聴取する。
第3章 報告基準
(報告及び公表)
第15条 監査又は検査を終了したときは、監査又は検査の結果を法第199条第9項等の規定により、議会及び町長並びに関係のある行政委員会等に報告しなければならない。
2 前項の報告のうち所定のものについては、同時に公表しなければならない。公表は町広報等により行う。
3 監査報告書、検査報告書及び審査意見書には、おおむね次の各号に掲げる事項を簡潔明瞭に記載する。
(1) 報告等の日付
(2) 監査等を実施した監査委員名
(3) 監査等の種類
(4) 監査等の概要
ア 監査等の実施期間
イ 監査等の対象とした局部課又は事務所名若しくは事業所名(財政援助団体等にあっては団体名)
ウ 監査等の対象とした事項及び範囲(出資団体等にあっては採用している会計基準)
エ その他監査等の目的又は着眼点
(5) 監査等の結果
ア 監査等による事務の執行、事業の管理状況等についての意見
イ 指摘事項(分類整理するとともに必要に応じて助言、注意等を付記すること。)
(意見の提出)
第16条 監査の結果に基づいて必要があると認めるときは、前条の報告に添えて法第199条第10項の規定による意見を提出する。
(決算等審査意見の提出)
第17条 決算審査及び基金の運用状況等審査を終了したときは、審査意見を町長に提出する。
(報告等以前の周知の禁止)
第18条 監査等の結果は、原則として、報告又は公表若しくは意見の提出前に、関係者以外の者に知らせてはならない。
(監査等の結果の処置)
第19条 監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見について町長又は監査対象部局の長から適時措置状況報告を求めるものとする。
附則
(適用日)
1 この基準は、平成3年4月1日から適用する。
(経過措置)
2 この基準の適用日前に実施された監査等は、この基準の相当規定に基づいて実施されたものとみなす。
附則(平成12年3月29日)
この基準は、平成12年4月1日から施行する。
附則(平成26年基準第2号)
この基準は、公布の日から施行する。